2009年4月19日 読売新聞西部本社 朝刊
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◆自治体 支援拡大、周知徹底へ

経済的理由で小中学校に通うのが困難な家庭を対象にした就学援助の受給者が増えている。九州・沖縄・山口の県庁所在市9市は、いずれも2008年度の受給者が前年度を上回り、宮崎市は10.3%増の大幅な伸びとなった。各自治体は不況の深刻化で支援が必要な家庭は増えるとみて、支給額アップや制度の周知徹底など対策に乗り出している。

福岡市役所11階にある就学援助の受付窓口。17日も申請者が次々と訪れていた。小学1年の子どもを持つというパート女性(44)は「経済的に苦しくて…」と言葉少なに語った。

同市教委は、市民税の減免措置を受けている保護者などを対象に、給食費や学用品代などを支給。2004年度の受給者は全体の18.3%にあたる1万9,847人だったが、その後も増加が続き、08年度は21.9%の2万4,138人にまで膨らんだ。

景気低迷に加え、母子家庭が増えていることなども背景にあるという。市教委は新年度の当初予算で前年度並みの援助費用を確保したが、重松克利・学事課長は「昨年秋以降の不況の影響がこれから出てくるだろう。予算の増額補正も必要になるのではないか」と話す。

熊本市では、昨年1〜5月の申請は6,190件だったが、今年はすでに約200件上回っている。申請理由に「リストラ」「派遣切り」などを挙げる人が多かったという。山口市でも昨秋以降、「会社が倒産して職を失った」「残業や出勤日が減った」などと訴える人が目立つようになったという。

こうした状況を踏まえ、山口市教委は、収入に応じて給食費を半額支給予定だった人たちについて、全額支給に変更。鹿児島市教委はこれまで年1回だった案内文の配布を学期ごとの計3回に増やし、周知徹底を図ることにした。

佐賀市教委は今年度、援助対象を不況で離職を余儀なくされた新高校生の保護者まで独自に拡大。入学が難しかった6人について、入学金や制服代、教科書代などを支給した。

同市の田部井洋文教育長は「経済的な理由で子どもの学ぶ機会が奪われてはならない。支援に漏れがないよう、きめ細やかな対応を心がけたい」と話した。