現在、インターネットの世帯普及率は9割、パソコンの世帯普及率も7割を超えると言われています。生活に欠かせない存在になっている情報通信技術(ICT)に、学校教育はどのように関わり、実際の小学校の現場では、どのような取り組みがなされているのでしょうか。
今回は、東京都北区立赤羽台西小学校の事例から、「現場からみるICT教育」を取り上げてみたいと思います。
北区立赤羽台西小学校の伊藤利恵子先生にお話を伺いました。
赤羽台西小学校では、今年度から「ICT教育」について研究しています。各教室にもデジタル教科書が設けられ、積極的に授業にICT教育を取り込もうとしている学校の1つです。
そこで、同校に8年間勤めている伊藤先生に、
「ICT教育の現場」を聞いてきました。
今の小学校は、どのくらいICTが導入されているのですか?
ようやくICTの教育環境が整ってきたところだと思います。
東京都の小学校では大画面テレビ、書画カメラが各教室に導入されています。
クラスの教室だけでなく、図工室、音楽室、図書室など特別教室もすべて導入されています。
以前は、「子どもたちがパソコンを使えるように」というねらいから、“パソコン室で何かをすること”が主流でした。
今は、「先生たちがパソコンなどの機器を使って、授業の中に生かす」にシフトしていて、“教室の中で提示をすること”が定着し始めています。
ICT(Information and Communication Technology)情報通信技術のことで、IT
(Information Technology)の中で、Communication部分をさらに強調した概念。
ITにC(Communication)が加えられることによって、知識やデータといった情報(Information)を適切に他者に伝達 (Communication)する為の技術(Technology)という、ICT(IT)が本来持つ役割が強調された表現になっています。
日本ではITという呼び方が一般的ですが、国際的にはICTという呼称が定着しています。 また2004年度より、総務省の「IT政策大綱」が「ICT政策大綱」と改称されるなど、日本でも徐々にICTという呼び方が定着しつつあります。